
肘頭インピンジメントは上腕三頭筋が弱いとなりやすい
少年野球などでよく見られるインピンジメントは肩に多いのですが、しかしインピンジメントは肩だけではなく、肘にも起こるため注意が必要です。
インピンジメントとは衝突するという意味なのですが、肘の場合、トップポジション付近で肘を曲げ過ぎてしまい、肘が頭の高さで、手部が首の高さというフォームや、投球動作のどこかで肘を完全に伸ばし切る動作が入ってしまうと発症しやすい症状です。肘のインピンジメントの場合、「肘頭(ちゅうとう)インピンジメント」がほとんどだと思います。
肘を曲げ過ぎてしまうタイプも伸ばし過ぎてしまうタイプも、上腕三頭筋が弱いケースが多々ありますので、ここをしっかりコンディショニングしてあげると手部が肘よりも下に垂れにくくなり、また、伸び切ることを防ぐことができます。その結果肘頭インピンジメントを予防改善できるようになります。
ただし上腕三頭筋以前に、この投げ方が癖になってしまっている場合は少し危険です。肘を曲げ過ぎたり、伸ばし切ったりする動作が癖として体に染み付いてしまっている場合、上腕三頭筋を鍛えてもフォームが変わることはほとんどありません。
この場合は上腕三頭筋のコンディショニングを見た上で、適切な知識の上で動作改善をしていく必要があります。動作改善法に関しては僕が監修している『よくわかる!投球障害予防改善法-徹底解説ビデオ』をご覧になってみてください。
動作の癖というのはスポーツの専門用語では運動習熟というのですが、一般的には同じ動作を2000回繰り返すことによってその動作が癖付くと言われています。
そして一度癖となってしまった動作を、正しい動作に上書きしていくためには、その正しい動作を2000回以上丁寧に繰り返していく必要があります。するとその正しい動作を新たな癖として体に染み込ませることができます。
やはり科学的に本当に正しい投げ方というのは、フォームが固まる前の小学生のうちに身につけておくのがベストです。中学生高校生になりフォームが固まった後では、動作改善に要する時間はどんどん長くなってしまいます。
ですのでお父さんお母さんや野球指導者の方は、ぜひ僕のビデオをご覧になりながら、科学的に本当に正しい投げ方をお子さんに教えてあげてください。