未だにスポーツ科学を学ぼうともしない野球指導者に感じてしまう怒り

  • 投稿日:
  • カテゴリ:
野球肩と走り込み

スポーツ科学を学ぶという意欲さえ見せない野球指導者たち

先日、僕が監修する『よくわかる!投球障害予防改善法-徹底解説ビデオ』をご購入いただいた親御さんからこんなLINEをいただきました。

「中二の息子がクラブチームで肩が痛いと訴えたら、走り込みが足りないからだと言われ、2時間ほど延々と走り込みをさせられました。そして翌日になるとそのせいで膝の痛みまで訴えるようになりました」

これは昭和時代の話ではなく、つい先日の話です。令和三年です。スポーツ科学がこれだけ進歩した現代においても、野球の指導現場だけはなぜか完全に科学の進歩から取り残されてしまっている状態です。

もちろんスポーツ科学を率先して学んでいる野球指導者も多いとは思うのですが、しかし99.9%のボランティアコーチ、野球部やクラブチームの指導者はそうではないと思います。昔ながらのやり方、経験則だけで子どもたちに科学的に間違ったことを教えてしまっている大人ばかりです。

今回僕にLINEを下さった親御さんは、一旦息子さんにはクラブチーム(聞くと名門シニアでした)をやめさせて、中学を卒業するまでは僕のレッスンで本当に正しいフォームを投打共に身につけさせて、高校からまた本格的にちゃんとした指導者がいる野球部で野球をやらせてあげたい、というふうに仰っていました。

この気持ち痛いほどよくわかります。僕自身には子どもはいないのですが、しかし僕のレッスンでせっかく良いフォームを身につけたのに、クラブチームなどでまた非科学的な間違った投げ方に矯正されてしまい、野球肩野球肘を再発させてしまう子を何人も見てきました。

そういう子の涙を見ていると、本当に悔しくて仕方ありません!かと言って僕がそのクラブチームの指導者に文句を言いに行くわけにもいきません。やり場のないこの憤りを、一体どうすればいいのでしょうか。

走り込みで野球肩を予防することは絶対にできません

僕にLINEを下さった方のシニアチームでは、肩が痛いと言うと無茶な走り込みをさせられたわけですが、「走り込みが足りないから肩を痛める」という科学的エビデンスは一切存在しません。世界中どこを探してもそんなエビデンスはありません。

そもそも走り込みをして野球肩を防げるのであれば、僕のようなプロフェッショナルコーチの存在も、野球選手を治療してくださるスポーツ整形の先生やPTの方々も必要なくなります。だって、走っていれば怪我しなくなるんですから。

そして無茶な走り込みに関しても、膝を痛めるのは当然ですし、シンスプリントになることだってあるでしょう。

普段から日常的に2時間走っているような選手ならまだしも、普段は平均的にしか走っていない子にいきなり2時間走らせるというのは、これは指導などではなく、ただの非科学的な「しごき」でしかありません。タッチに登場する柏葉英二郎監督でも目指しているのでしょうか?

野球肩にも様々な原因があるわけですが、今回のケースに関しては完全にこの指導者が野球肩の原因になっていると言えるでしょう。肩が痛いという子に、今度は膝を痛めさせているのですから。果たしてこのシニアの指導者は、この子の怪我の責任をどう取るのでしょうか?

走り込みというトレーニングは確かに必要なトレーニングです。なぜなら有酸素運動なくして運動体力を強化することはできないからです。

しかし選手のレベルに合った走り込みや有酸素運動トレのメニューを組んでいかなければ、選手の体を壊してしまうだけです。

そしてこれは、科学的に野球動作を理解しているプロコーチとして言わせてもらいますが、走り込みによって野球肩を防ぐことは絶対にできません。

野球肩は、野球肩になりにくい科学的に本当に正しい投げ方を身につけることによってしか防ぐことはできません。ただし、体を強化することによって痛みの発症を遅らせることは可能です。とは言えこれは根本的な解決法とは言えません。

僕のようなプロコーチが子どもたちの投げ方をいくら改善していっても、チームに戻るとまたチームの指導者に良くない投げ方に矯正されてしまう現状、こんな言葉は使いたくありませんが、もはやイタチごっこのように感じてなりません。

そんなわけで、スポーツ科学を勉強しようともしない野球指導者には怒りさえ感じてしまう今日この頃です。

にほんブログ村 野球ブログへ
他の野球ブログもチェックしてみよう!
ブログ筆者:カズコーチ
TeamKazオンライン野球塾 プロ野球選手のパーソナルコーチングや自主トレサポート、動作分析、データ分析を行いながら、子どもたちの個別レッスンも行うプロフェッショナルコーチです。
よくわかる!投球障害予防改善法-徹底解説ビデオも好評発売中!